「抗肥満ホルモン」のレプチンは過剰な体脂肪には機能しない

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レプチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンで、「抗肥満ホルモン」として知られ、主に食欲の抑制とエネルギー代謝の増加に関与し、体重調節や食欲抑制に重要な役割を果たすホルモンです。

適切な体重の維持や肥満の防止に重要な役割を果たしているレプチンは、分泌や機能が正常でないと、過食や肥満につながる可能性があります。

レプチンは食後に分泌されますが、最も多く分泌されるのは食後20分が経過してからなので、20分以上かけてゆっくり食事をすることで、満腹中枢が適切に働き、食べ過ぎを防ぐことができます。

レプチンの主な機能とホルモンの関係

食欲抑制作用
•レプチンは脳内の弓状核(摂食中枢)に作用し、摂食を強力に抑制します
•脳の視床下部にある満腹中枢を刺激して食欲を抑制します

エネルギー代謝調節
•交感神経を活性化し、脂肪の燃焼を促進します
•エネルギー消費が増加し、体脂肪の蓄積を防ぎます

生殖機能への影響
•排卵に必要な卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体化ホルモン(LH)の分泌を促進します
•排卵を促しサポートします

レプチン抵抗性
•過剰な体脂肪(肥満状態)は、レプチンが効きにくくなる「レプチン抵抗性」が生じる
•体脂肪が増えると血液中のレプチン濃度が高くなるにもかかわらず、満腹感を感じにくくなる現象(PTPRJという酵素が関連していることが示唆されています)
•レプチン抵抗性のメカニズムは完全には解明されていません

PTPRJの関与
•PTPRJという酵素分子がレプチン受容体の活性化を抑制することが発見された
•肥満に伴い摂食中枢でPTPRJが増加することがレプチン抵抗性の要因となる可能性があります

エストロゲンとの相互作用
•エストロゲンは脂肪細胞に作用してレプチンの分泌を促進します
•エストロゲンはレプチンと共に脳のNPY神経細胞を抑制することで、食欲を抑える働きをします

オレキシンとの関係
•オレキシンはレプチンとは逆に、摂食活動を促進する働きを持つ
•レプチンとオレキシンは、エネルギー摂取と消費のバランスに関与している

レプチンの食欲抑制作用を最大限に活用するには、ゆっくり食事をすることや、高脂肪の食事を控え、栄養バランスの取れた食事を摂ることも重要で、遅い時間帯の食事はレプチンの分泌を低下させます。

過度なストレスや睡眠不足は、レプチンの分泌を低下させるため、適切な睡眠時間を確保し、適切なストレス管理をすることも大切です。

レプチンの研究は、肥満治療や生殖医療の分野において重要で、今後さらなる解明が期待されています。

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