カカオ豆は古代マヤ文明などで通貨としても使われたほど貴重で文化的価値も高い植物

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カカオ豆とは、カカオの樹(学名:Theobroma cacao、アオイ科)の果実(カカオポッド)の中にある種子を指し、チョコレートやココアの主要な原料となります。

カカオの実は楕円形で、長さ15~30cmほどあり、枝や幹に直接ぶら下がるように実ります。

この実の中には「パルプ」と呼ばれる白い果肉があり、その中に30~40粒ほどのカカオ豆が並んでいて、カカオ豆自体は茶色ではなく、収穫直後は紫色をしています。

生産の多くは中南米、西アフリカ、東南アジアなど赤道付近の高温多湿地域で行われていて、種類は主に「クリオロ種」、「フォラステロ種」、「トリニタリオ種」の3品種があり、それぞれ風味や香り、栽培のしやすさが異なります。

カカオとココアはどちらもカカオ豆から作られますが、主な違いは加工方法と加工度にあります。

カカオ』は、カカオ豆を発酵・乾燥させ、低温で焙煎した後に粉砕したもので、加工度が低く、栄養成分が壊れにくいのが特長で、主に「カカオパウダー」「カカオニブ」「カカオマス」といった形で流通していて、抗酸化物質やミネラルなどの栄養が豊富で、苦味や風味が強く残ります。

ココア』は、発酵したカカオ豆を高温で焙煎し、粉砕した後、油脂(カカオバター)を取り除いて「カカオケーキ」と呼ばれる固形分のみを粉末化したもので一般に、ココアパウダーとして販売され、ココアの製造過程ではアルカリ処理(ダッチプロセス)が施されることが多く、これにより酸味が抑えられて味がまろやかになりますが、加工度が高く、カカオの有用成分も加工中に一部失われます。

加工度が低い『カカオ』の方が栄養価が高く、苦味が強い傾向があります。

カカオ豆の栄養価を効率よく摂取するおすすめの食べ方は、加工度の低い「カカオニブ」として取り入れる方法です。

カカオニブは、発酵・ローストされたカカオ豆を砕いたもので、ポリフェノールやテオブロミン、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。

カカオ豆はポリフェノールが非常に豊富な食品で、主成分はカカオポリフェノールと呼ばれていて、含有量は、カカオニブ(焙煎後)の場合、100gあたり3,800~5,400mg程度が一般的です。

エクアドル産のカカオニブ(焙煎後)では、100gあたり5,360mgのカカオポリフェノールが報告されていて、市販のオーガニックカカオニブでは、100gあたり3,810mgなどのデータもみられます。

市販の高カカオチョコレート(86%)でも100あたり約2,940mg程度含まれていて、未加工のカカオ豆やカカオニブほどではないものの、高い水準です。

カカオ豆は、植物性食品中でもトップクラスのポリフェノール含有食品で、カカオポリフェノールの代表成分には「エピカテキン」などがあり、強い抗酸化作用が知られています。

ポリフェノールは動脈硬化予防などの健康効果が期待されますが、エピカテキンは摂取後、約24時間で体外に排出されるため、適量を継続的に摂取することが推奨されています。

カカオは加工を経てさまざまな製品になります

1.選別:カカオ豆から異物や傷んだ豆を取り除き、良質な豆を選びます

2.焙焼(ロースト):カカオ豆を約100~140℃で焙煎し、風味と香りを引き出し、ロースト方法や温度・時間で風味が変わります

3.分離:焙煎した豆を砕き、外皮(シェル)や胚芽を取り除いて「カカオニブ」と呼ばれる胚乳部分を取り出し、このカカオニブが様々な加工の原料となります

4.磨砕:カカオニブを細かくすりつぶし、ペースト状の「カカオマス(カカオリカー)」を作り、ここからチョコレートやココアの元となります

5.搾油:カカオマスから脂肪分のカカオバターを抽出し、残った固形分がココアケーキ(カカオマスからココアバターを圧搾法で除いた後に残る固形物)となり、粉末化してココアパウダーになります

7.混合・調整:カカオマスに砂糖や乳製品、ココアバターなどを加え、チョコレートの味や食感を調整します

カカオ豆には健康効果が期待される成分が豊富に含まれています

• 食物繊維が非常に豊富で、100gあたり約17g以上含まれていて、整腸作用や血糖値の安定に寄与します

• ミネラル類も豊富で、特にマグネシウム(100gあたり約300mg~315mg)、カリウム(100gあたり約925mg)、リン(100gあたり約300~400mg)、鉄(100gあたり約7mg)、亜鉛(100gあたり約5mg)、銅(100gあたり約3mg)が含まれていて、これらは心血管や骨、免疫機能の維持に重要です

• ビタミンE(特にγ-トコフェロール)が多く(100gあたり約12~13mg)、抗酸化作用が強い

• テオブロミンも豊富で、100gあたり1,000~1,300mg含まれていて、血管拡張や利尿作用、リラックス効果が期待されます

※リンの1日の推奨摂取量は600~900mg程度が目安とされているので、腎疾患などで、リン制限が必要な場合は摂取量を調整が必要です。

チョコレートを選ぶ際は、乳化剤(大豆由来のレシチン)、香料、保存料などの添加物が含まれていない、原材料がシンプル(カカオマス、カカオバター、糖類(少量))で高カカオの商品を選び、成分表示をよく見ることが重要です。

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