左利きの人は、右利きの人と比べて脳の側性化が、あまり進んでいないことが特徴的です。
脳の側性化とは、大脳の左右半球が、それぞれ異なる機能を担う現象を指します。
右利きの人が言語関連のタスクで左半球が活発に働き、顔の認識などは主に右半球で行われるのに対し、左利きの人は言語関連のタスクで右半球が活発になり、顔の認識時に脳の左右両方の領域を使用する傾向があり、この脳の働き方の違いにより、左利きの人は、より柔軟な思考が可能になる可能性があるとされています。
英国のクイーンズ大学の研究によると、 エコーを使用し、妊娠中の胎児の手の動きを観察することで、妊娠10〜12週頃に胎児がどちらの手をより頻繁に吸うかによって、出生時の利き手がほぼ確実に決まることが示されていて、右手の親指を吸うことが多い胎児は、右利きとして生まれる可能性が高いとされています。
利き手の決定には遺伝的要因が大きいとされますが、環境要因も考えられ、創造性についても同様で、生まれつきの要因と後天的な練習の両方が影響すると考えられています。
左利きと脳の関係は複雑で、まだ完全には解明されていませんが、左利きの人の脳の働き方の特徴が、創造性や柔軟な思考につながる可能性があることが示唆されています。
創造性と問題解決能力
左利きの人は、創造性や問題解決能力において優れている可能性があります。
• 右脳と左脳をより柔軟に使用できる傾向がある
• 拡散的思考が右半球と関連しているため、この種の創造的思考を発揮しやすい
• 右利き中心の社会に適応するため、常に想像力を駆使する機会が多い
空間認識能力
左利きの人は空間認識能力が高いとされています。
• スポーツや芸術の分野で活躍しやすい
• 交通事故を起こしにくい可能性がある
情報処理能力
左利きの人は、右脳と左脳をつなぐ脳梁が大きく、情報処理能力に優れているとされています。
• 優れた総合判断力につながる
• リーダーシップを発揮しやすい要因となる
直感力
右脳の働きが強い左利きの人は、直感力に優れている可能性があります。
• 素早い判断や意思決定に役立つ
• 創造的な問題解決につながる
世界の人口の約10%が左利きであるとされていて、10人に1人が左利きです。
左利きの割合は、オランダ(15.7%)、ニュージーランド(15.5%)、ノルウェー(15.0%)などが高い国として挙げられ、日本人の左利きの割合は約11%とされていて、世界平均よりもやや高いです。
左利きは、その希少性からスポーツ界では非常に貴重な存在で、多くの場面でその特性を活かし、特にサッカーでは、戦術的にも重要な役割を果たすため、左利き選手はチームにとって大きな武器となります。
左利きの割合は文化や教育方針によっても影響を受け、日本では左利きを矯正する文化があり、そのため左利きの割合が低かった時期もありますが、近年ではその傾向が薄れつつあります。
重要なのは、脳には高い適応性があり、練習によって創造性を高めたり、利き手を変えたりすることも可能だということです。