酒粕は単なる副産物ではなく日本の文化や精神性と深く結びついた重要な存在

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酒粕とは、日本酒製造の「上槽」と呼ばれる工程で生まれる副産物で、清酒製造の「圧搾」工程後に残った「搾りかす」のことを指します。

圧搾方法や用途によって、「板粕」「ばら粕」「練り粕」などの形状があり、 製造する清酒の種類(吟醸酒、純米酒など)によって風味が異なり、吟醸酒から得られる酒粕は華やかな香りを持ち、純米酒から得られるものは穏やかな香りがあります。

清酒の原料である米や米こうじ、酵母由来の成分が含まれていて、栄養価が高く、白米と比較すると、たんぱく質は約5倍、食物繊維は約3倍、ビタミンB6は約47倍、葉酸は約56倍で、抗酸化作用があり、体内の活性酸素を抑えることで、老化や病気の予防に寄与し、また、アミノ酸やペプチドが含まれているので、免疫力を高める効果があります。

酒粕には、消化されにくい「レジスタントプロテイン」が豊富に含まれていて、この成分は腸内での食物繊維のように働き、腸内細菌の餌となり、肥満防止やコレステロールの排出を助ける作用があります。

酒粕は1日あたり50gの摂取が推奨されています。過剰摂取には注意して下さい。

栄養価と健康効果

• 腸内環境の改善:食物繊維とオリゴ糖が豊富に含まれていて、腸内環境を整え、消化を助ける

• 美肌効果:ビタミンB群やアミノ酸が豊富で、肌の新陳代謝を促進し、α-EGがコラーゲン産生を促進し、肌のキメを細かくする効果がある

• 免疫力向上:麹菌や酵母の細胞壁に含まれる成分が免疫力を高める効果がある

• 生活習慣病予防:血栓を溶かすプラスミノーゲンなどの成分を含み、脳梗塞や動脈硬化の予防効果がある

• 血圧調整:ペプチドが血圧の上昇を抑える効果がある

• 便秘解消:不溶性食物繊維が豊富で、腸内の余分な老廃物を排出

• 冷え性改善:アデノシンが血管拡張作用を持ち、冷え性や肩こり、頭痛などの症状を緩和

• 糖尿病・肥満予防:難消化性でんぷんが糖の吸収を抑え、難消化性たんぱく質が脂肪やコレステロールの排出を促す

• アレルギー症状緩和:ペプチドがアレルギー症状を引き起こすカテプシンBの働きを阻害

• 骨粗しょう症予防:骨の分解を促すカテプシンLの働きを抑制する成分を含んでいる

酒粕には、8〜10%程度のアルコールが含まれています。
酒粕のアルコールは加熱しても完全には飛ばすことが難しく、120°Cで加熱しても、約2%程度のアルコールが残るとされていて、初めて使う場合は少量から始め、徐々に調整することをおすすめします。

アルコールに敏感な体質の方や、運転前の摂取は避けるのが賢明です。

酒粕は栄養価が高い食材ですが、アルコール含有量に注意しながら適切に摂取することが重要です。

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