鰹節(かつおぶし)は、日本の伝統的な保存食品で、カツオの魚肉を煮熟してから乾燥させたもので、一般的に「かつぶし」とも呼ばれ、削り節として和食の調味料や出汁を取るなどに使用されます。
鰹節には、背肉から作る「雄節(おぶし)」と、腹肉から作る「雌節(めぶし)」があり、これらが組み合わさって「鰹夫婦節(かつおぶし)」とも呼ばれることがあります。
江戸時代中期に、紀州の角屋甚太郎が燻乾法を考案し、現在の荒節に近いものが作られ、鰹節は日本料理に不可欠な調味料として確立されました。
鰹節は古くから日本で食用とされ、縄文時代には、その痕跡が見られます。
鰹節にはいくつかの種類があり、それぞれ製造工程や風味が異なります
荒節(あらぶし)
製造工程: 鰹を煮てから焙乾(燻製)して水分を飛ばしたもので、表面はタールで黒く覆われています。
特徴: 煙による薫香があり、適度な酸味と風味のある出汁が取れます。
スーパーで販売されている削り節の約80%がこの荒節で、花かつおは、荒節を削ったものです。
枯節(かれぶし)
製造工程: 荒節をさらに研磨し、カビ付けと乾燥を繰り返して作られます。
特徴: 焙乾による香りが和らぎ、上品な風味があり、まろやかな出汁を取りたい時に適しています。
本枯節(ほんかれぶし)
製造工程: 枯節の工程をさらに進め、カビ付けと天日干しを数回繰り返して熟成させたもので、製造には約3〜5ヶ月かかります。
特徴: 深みのある旨味があり、脂肪分が分解されるため、澄んだ琥珀色の出汁が取れます。
料亭などで使用されることが多い高級品です。
鰹節には、人体で合成できない9種類の必須アミノ酸(バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、ヒスチジン)がすべて含まれていて、健康維持に効果的です。
•新陳代謝の促進: 鰹節に含まれるイノシン酸は細胞を活性化させ、新陳代謝を促進し、ダイエット効果や疲労回復が期待できます。
•血圧降下作用: 鰹節由来のペプチドやEPA(エイコサペンタエン酸)は、血圧を緩やかに下げる効果があり、継続的に摂取することで、高血圧の予防にも寄与します。
•疲労回復: 鰹節に含まれるペプチドは、体内の疲労物質である乳酸を分解する酵素を増やし、疲労回復を促進します。
•美肌効果: イノシン酸の作用により、肌の細胞が活性化され、美肌効果が期待できます。
•コレステロールと中性脂肪の低下: 鰹節は血中のコレステロールや中性脂肪を減らし、動脈硬化や血栓の予防に効果があります。
•集中力の向上: 鰹節に含まれる成分(DHA、カルシウム、ビタミンB群、タンパク質など)が脳細胞を活性化し、集中力を高める効果があるとされています。
かつお節は、伝統的な製法で作られた自然食品で、健康に良いとされる多くの成分を含んでいます。
鰹節を摂取することで、精神のバランスを保つ効果があるセロトニンの生成が促進されるため、ストレス解消や、不眠症の改善などの効果があるという研究結果も報告されています。