柿に含まれるタンニンには有害な細菌の増殖を抑制する働きがある

Food

柿は栄養価が高く、多くの健康効果が期待できる果物です。

柿の学名は「Diospyros kaki」で、カキノキ科(Ebenaceae)カキノキ属に分類され、属名の「Diospyros」はギリシャ語で「神の食べ物」を意味します。

柿の原種は、東アジアの山に自生していた渋柿で、それが長い年月をかけて改良され、現在の多様な品種が生まれたと考えられています。

原種の特徴を残す柿は今でも山に自生していて、栽培種の柿とは異なる特徴を持っています。

現在広く食べられている甘柿は、渋柿の突然変異種と考えられていて、日本初の甘柿は神奈川県川崎市麻生区にある王禅寺で1214年に発見された「禅寺丸」とされています。

柿には豊富なビタミンCが含まれていて、柿1個で1日分のビタミンC(約100mg)を摂取できます。

ビタミンC
•免疫力の強化
•美肌効果(コラーゲン生成の促進、メラニン色素の合成抑制)
•抗酸化作用(動脈硬化予防、老化防止)

β-カロテン
•粘膜や皮膚の健康維持
•抗酸化作用(活性酸素の抑制)
•体内でビタミンAに変換されます。

タンニン
•血中コレステロール値の改善
•動脈硬化、高血圧、心臓疾患、脳血管障害の予防
•二日酔い予防(アセトアルデヒドの排出促進)

カリウム
•高血圧予防(ナトリウムの排出促進)
•むくみの改善

食物繊維
•腸内環境を整える効果があります。

柿の品種は非常に多く、主に甘柿と渋柿に分類され、それぞれに特徴があります。
地域の気候や用途に応じて適した品種が栽培されています。

甘柿の主な品種

富有柿(ふゆうがき)
•1884年(明治17年)に岐阜県で誕生した完全甘柿で、江戸時代末期に岐阜県の居倉村で栽培されていた「居倉御所」という柿が起源とされています。
•収穫時期は11月上旬から12月上旬頃

次郎柿(じろうがき)
•1844年に静岡県周智郡森町で誕生し、松本治郎吉氏が太田川で見つけた幼木を植えたのが始まりとされています。
•収穫時期は10月下旬から12月初旬頃

太秋柿(たいしゅうがき)
•1995年に品種登録された比較的新しい品種で、農研機構果樹研究所が「富有」と「IIiG-16」を交雑して育成しました。
•収穫時期は10月下旬から11月上旬頃

花御所柿(はなごしょがき)
•約200年前に、奈良県の「御所柿」を鳥取県の「花」という地域で接木したことから名付けられました。
•糖度は18度以上で、日本一甘い柿と言われています。
•生産量が少なく、希少な柿として知られています。
•収穫時期11月中旬から12月上旬頃

愛秋豊柿(あいしゅうほうがき)
•愛知県農業総合試験場が開発した品種で、「平核無」と「太秋」を交配して育成され、2005年に品種登録されました。
•収穫時期10月下旬から11月上旬頃

渋柿の主な品種

平核無柿(ひらたねなしがき)
•新潟県原産の柿で、1909年に命名され、山形県の庄内地方から栽培が広まったとされています。
•収穫時期10月中旬から11月頃

紋平柿(もんべいがき)
•石川県の宝達山麓地域、特に河原、山崎、東間地区などに自生する柿で、江戸時代から伝承されてきた地域特有の品種です。
•希少で、市場にはあまり流通していませんが、これまで食べたことのない柿として根強いファンがいます。
•平成元年に国の支援で柿畑が造成されています。
•収穫時期は11月上旬頃です。

紀の川柿(きのかわがき)
•平核無柿を樹上脱渋法という特殊な方法で脱渋させたもので、1974年頃から開発が始まり、1975年に「紀の川柿」という名称が付けられました。
•手間がかかるため生産量が限られ希少です。
•収穫時期は10月中旬から11月中旬頃

刀根早生柿(とねわせがき)
•1959年に和歌山県で発見された品種で、富有柿の枝変わりとして生まれました。
•収穫時期は9月下旬から10月中旬頃

地方品種を含めると1,000を超える品種があるとされています。

柿の遺伝的特性については、完全渋柿に分類されるものが最優性とされています。

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