コリアンダー(Coriandrum sativum)は、地中海沿岸が原産のセリ科の一年草で、主に種子や葉が料理に使われる香辛料です。
コリアンダーとパクチーは同じ植物の異なる部位を指し、料理の用途や香りの特徴に違いがありますが、本質的には同一の植物です。
コリアンダーは平安時代後期から鎌倉時代初期、中国を経由して日本に渡来したとされています。
日本に伝来した当初は、日本の食文化に馴染まなかったため、広く普及しませんでした。
安土桃山時代から江戸時代にかけて、ポルトガルから「コエントロ」という名前で再来し、「コエンドロ」という呼び方に変わり、戦後、アメリカから英語の「コリアンダー」という呼び名が入ってきました。
1990年代のアジア・エスニック料理ブームをきっかけに、タイ語の「パクチー」という呼び名が広まり、現在では葉の部分を指す言葉として一般的に使用されています。
中国語のシャンツァイ(香菜)とパクチーは同じものです。
コリアンダー(種子)は、乾燥させると爽やかな柑橘系の香りに変化し、甘みのあるスパイシーな風味があり、カレーのスパイスや、風味付けなどに使用されます。
パクチー(葉)は、独特の強い香りがあり好き嫌いが分かれやすく、エスニック料理のトッピングや、サラダなどに生で使用されることが多いです。
コリアンダー(種子)・パクチー(葉)の効果
•ビタミンA、C、E、カルシウム、鉄などの栄養素を豊富に含んでいます。
•胃腸の働きを活発にし、消化を助けます。
•体内で過剰に生成された有害な活性酸素を除去する効果があります。
•体内に蓄積した有害金属(水銀、ヒ素、鉛、カドミウムなど)を体外に排出する作用があります。
•血糖値の上昇を抑える効果があります。
•細菌の増殖を抑制する効果があります。
•神経保護効果、アルツハイマー病予防効果が示唆されていています。
•抗不安作用の効果が示唆されています。
•てんかんなど、けいれん性疾患に対する効果が示唆されています。
コリアンダーシードは、パウダー状になっているものもあるので、さまざまな料理に合わせることができます。
カレーパウダーにも入っていますが、市販のカレールーには入っていないかもしれません。
パクチーの葉はそのままで、茎は細かく刻んで、根は煮込み料理になど、部位ごとの特性を活かした使用方法があり、全体を無駄なく活用することができます。
妊娠中・授乳中は、コリアンダーの使用を控えたほうがいいかもしれません。