栗(クリ)は、ブナ科クリ属に属する落葉高木で、主に北半球の温帯地域に自生していて、日本ではニホングリ(学名:Castanea crenata)が一般的に栽培されています。
日本では、特に9月から10月にかけてが旬で、秋の味覚として親しまれています。
栗の実は「鬼皮」と呼ばれる硬い外皮に包まれていて、その内側には「渋皮」と呼ばれる薄い皮があり、渋皮に含まれるタンニンは抗酸化作用、動脈硬化の予防、アンチエイジング効果が期待できます。
栗の渋皮は栄養価が高く、さまざまな健康効果が期待できるため、できるだけ渋皮ごと調理して食べることが推奨されています。
栗の渋皮に多く含まれているタンニンの効果
•抗酸化作用:タンニンは強力な抗酸化物質で、体内の有害な活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐ効果があります。
•抗菌作用:タンニンには細菌やウイルスの増殖を抑制する効果があります。
•消炎作用:炎症を抑える効果があり、かぶれや湿疹などの症状を和らげる可能性があります。
•収れん作用:皮膚や粘膜を引き締める効果があり、皮膚のトラブルに効果を発揮します。
•腸内環境改善:腸内の悪玉菌の増殖を抑制し、腸内環境を整える効果があります。
•止血作用:タンニンには血液を凝固させる作用があり、軽度の出血を止める効果があります。
•整腸作用:腸の過敏性を抑え、下痢などの症状を改善する効果があります。
•抗アレルギー作用:アレルギー反応を抑制する効果が期待されています。
•肝臓保護作用:アルコールによる肝臓障害を軽減する可能性があります。
タンニンは適量であれば健康に良い影響を与えますが、多すぎると栄養素の吸収を妨げる可能性があるので、摂取量には注意して下さい。
2023年度産 栗の収穫量
1.茨城県 3,870t (26%)
2.熊本県 1,820t (12%)
3.愛媛県 1,570t (10%)
4.岐阜県 774t (5%)
5.栃木県 540t (4%)
通常ビタミンCは熱に弱く、加熱すると壊れやすいのですが、栗のビタミンCは、デンプンに包まれているため、加熱しても失われにくくなっています。
栗はカリウムが豊富なので、カリウム制限が必要な方(慢性腎臓病、高カリウム血症など)は摂取量に注意してください。
カリウム含有量は、焼き栗100g(5〜6個分)あたり約460mで、蒸したさつまいも100gあたり約480mgと同じくらいです。
カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を調整する働きがあり、高血圧の予防・改善、筋肉の収縮や、神経の伝達に重要な役割があるので、健康的な筋肉機能を維持します。
デトックス効果があるタンニンを摂取できる「栗の渋皮煮」をおすすめします。