レジスタントスターチは、体内で消化されにくい特殊なデンプンのことで、小腸での消化酵素による分解を免れ、大腸まで到達するデンプンで、食物繊維と同様の機能を持つことから注目されています。
レジスタントスターチの種類
•RS1:穀類の外皮や細胞壁に包まれ、物理的に消化酵素が作用しにくいもの(全粒粉、豆類)
•RS2:未糊化の生デンプンや消化されにくい構造のデンプン粒子(未熟バナナ、生芋類)
•RS3:調理後に冷却や放置によって形成される老化デンプン(調理後冷ましたご飯、芋類)
•RS4:酵素的、物理的、化学的な処理を施した加工デンプン(スナック菓子、各種加工食品)
RS4(糊料、乳化剤、増粘安定剤)に関しては、化学的処理によって作られた加工デンプンで、改良剤として加工食品に多く含まれ、消化酵素が作用しにくい構造を持つため、過剰摂取には注意が必要です。
レジスタントスターチの効果
• 小腸で消化・吸収されずに大腸まで届くため、食後の血糖値の急上昇を抑える
• インクレチンという血糖値を下げるホルモンの分泌を促進
• 善玉菌のエサとなり、善玉菌の数を増やす(プレバイオティクス作用)
• 短鎖脂肪酸の生成を促進し、腸内を弱酸性に保つ
• 腸のバリア機能を高める
• 満腹感が持続するため、食べ過ぎを防ぐ
• カロリーが通常のデンプンの約半分
• 脂肪の蓄積を防ぎ、エネルギー代謝を高める
• 短鎖脂肪酸が肝臓でのコレステロールや中性脂肪の合成を抑制
• 食物繊維と同様の働きをし、便のかさを増やして排便を促進
• 腸内環境を整えることで、肌トラブルの原因となる有害物質の排出を促進
RS3の重要性
• 血糖値上昇の抑制:RS3は食後の血糖値上昇を穏やかにする効果があります。
• 日常的な摂取が容易:通常の調理過程で自然に形成されるため、特別な加工食品を摂取する必要がありません。
• 腸内環境の改善:他のレジスタントスターチと同様に、腸内細菌の餌となり、腸内環境を整えます。
• 低カロリー:消化されにくいため、通常のデンプンよりもカロリーが低くなります。
• 満腹感の持続:ゆっくりと消化されるため、満腹感が長く続きます。
• 調理方法の工夫で増加:炊いたご飯や、調理した芋類を冷ますことで、RS3の含有量を増やすことができます。
レジスタントスターチは腸内細菌の餌となり、短鎖脂肪酸を産生し、腸の健康だけでなく、全身の健康にも良い影響を与える可能性があります。
食物繊維の一種でありながら、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方の特性を持っていて、便秘改善や血糖値の調整など、多面的な健康効果が期待できます。
室温で1時間冷ますことが最も効果的で、約3倍近くまで増加させることができます。
他の栄養素とのバランスを考慮しながら、レジスタントスターチを含む食品を賢く取り入れ、過剰摂取には気を付けて下さい。