髪の主成分はケラチンというタンパク質で、18種類のアミノ酸から構成されていて、このうち9種類は体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。
髪の毛は角質化した細胞(死んだ細胞)で構成されていて、頭皮の下にある毛根で、毛細血管から栄養を受け取り細胞分裂を繰り返して伸びていきます。
基本構造
髪の毛は、主に3つの層から成り立っています
•キューティクル(毛小皮):外側の層で、魚のウロコのように重なり合っています
•コルテックス(皮質):髪の90%を占めフィブリルという繊維束やメラニン色素を含みます
•メデュラ(髄質):髪の中心部ですが、その役割はまだ完全には解明されていません
髪の毛根(毛包)は、胎児期の約3〜4ヶ月頃から形成が始まり、生まれた時点で人間の頭皮には約10万本の毛包が存在すると言われていて、基本的に生涯を通じて大きく変化することはありません。
毛根の数は変わらないものの、さまざまな要因により毛根が休眠状態になることがあり、これが薄毛や脱毛の原因となることがあります。
髪の毛の健康は、日々の食生活と密接に関係していて、適切な栄養摂取は、健康的な髪を維持するために非常に重要です。
髪に必要な栄養素
■ タンパク質
髪の主成分であるケラチンを作るために不可欠です。
※動物性脂質の過剰摂取は薄毛や脱毛を進行させ、中性脂肪の過剰な蓄積も薄毛に影響を与える可能性があります。
•含有食品:肉類、魚介類、卵、大豆製品、ナッツ類など
■ 亜鉛
タンパク質の利用をサポートし、新陳代謝を促進します。
亜鉛の吸収を促進する食品(酢、梅干し、レモン、トマト、ピーマン、カボチャなど)を一緒に摂取することで、より効率的に亜鉛を体内に取り入れることができます。
※緑茶、コーヒー、紅茶などは亜鉛の吸収を阻害する可能性があるので、同時摂取は避けたほうが良いです。
※亜鉛の過剰摂取には気をつけてください。
•含有食品:牡蠣、うなぎ、牛肉、レバーなど
■ オメガ3脂肪酸
髪と肌の健康に重要です。
•含有食品:サバ、イワシ、サンマなどの青魚、クルミ、アマニ油、エゴマ油など
■ ビタミン
ビタミンAは頭皮の健康を保ち、髪のツヤを高め、ビタミンEは血行を促進し、栄養素を髪に届けやすくします。
※動物性食品由来のビタミンAは過剰摂取のリスクがあるので、リスクが低い植物性食品からのビタミンA摂取を推奨しています。
•含有食品:シソ、モロヘイヤ、ニンジン、パプリカ、トマト、ナッツ類など
健康的な食生活のポイント
1.バランスの取れた食事
一汁三菜を意識し、主食・主菜・副菜をバランスよく摂取することが重要です
2.高脂質・高カロリー食品を控える
揚げ物やジャンクフードの過剰摂取は、血液の質を悪化させ、頭皮の栄養不足を引き起こす可能性があります
3.過度なダイエットを避ける
極端な食事制限は栄養不足を招き、髪の質を低下させる可能性があります
4.糖分の過剰摂取に注意
血糖値の急激な上昇は、インスリンの分泌を促進し、髪の健康に悪影響を与える可能性があります
十分な睡眠をとり、ストレスを管理することや、適度な運動は全身の血行を改善し、頭皮の健康維持に役立ちます。
健康的な髪を維持するためには、バランスの取れた食事を心がけ、全体的な生活習慣の改善に取り組むことが大切で、これらの取り組みは、薄毛の予防や進行の抑制にも効果があると考えられています。