過度のアルコール摂取や薬物使用は解毒機能を低下させる可能性がある

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脂肪肝とは、肝臓に脂肪が異常に蓄積された状態を指し、肝細胞の30%以上に脂肪が蓄積している状態で、体内で作られる脂肪の量が、使用されるエネルギー量を上回ることで発生します。

脂肪肝は通常、ほとんど自覚症状がありません。

脂肪肝は適切な生活習慣の改善により、比較的容易に改善できる場合が多いですが、進行した場合は深刻な肝臓疾患につながる可能性があるため、早期発見と適切な対処が重要です。

状態を詳しく調べるための医療処置
 • 血液検査:ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTP、コリンエステラーゼなどの値を調べる
 • 画像検査:超音波(エコー)やCTで脂肪の蓄積を確認
 • 肝生検:進行した場合や脂肪性肝炎が疑われる場合に実施

脂肪肝の主な原因としては、アルコール性脂肪肝(過度の飲酒が原因)と、非アルコール性脂肪肝(糖尿病、脂質異常症などが原因)があります。

脂肪肝は放置すると、脂肪肝 → 脂肪性肝炎 → 肝硬変 → 肝がんに進行する可能性があります。

肝臓の重要な働きの一つに解毒作用があります

有害物質の分解・無毒化
体内に入った有害物質(アルコール、薬物、環境汚染物質など)を分解し、毒性の低い物質に変換します

アルコールの処理
飲酒で摂取したアルコールを分解し、無害化します

薬物代謝
服用した薬物を代謝し、体内で作用させたり排出しやすい形に変換します

ニコチンの中和
タバコに含まれるニコチンを中和します

毒素の排出
解毒された物質を尿や便として体外に排出します

持続的な機能
肝臓は常に解毒作用を行っていて、体内の有害物質を継続的に処理しています

カロリー制限と減量
 • 5%の体重減少で生活の質が改善
 • 7%の体重減少で肝臓の脂肪沈着率が低下
 • 10%の体重減少で肝臓の線維化も改善
脂肪肝の改善には、適切なカロリー制限と減量が効果的です。

理想の栄養バランス
 • 炭水化物:50%程度
 • 脂質:20%程度
 • タンパク質:やや多めに摂取

脂質の種類に注意
 • 飽和脂肪酸:控えめに (※肉の脂身、バター、チーズ、ココナッツオイルなど)
 • 不飽和脂肪酸:積極的に摂取 (※青魚、しそ油、オリーブオイル、ナッツ類など)
特にオメガ-3脂肪酸(EPA、DHA)は抗炎症作用があり、脂肪肝の改善に役立ちます。

糖質の制限
 • 炭水化物の量を減らす
 • 間食や砂糖入り飲料を控える
脂肪肝の主な原因は糖質の過剰摂取です。

ビタミンEは、脂肪肝の改善に効果があり、摂取が強く推奨されています。

ビタミンE含有食品は、魚介類全般、卵、ナッツ類、モロヘイヤ、カボチャ、アボカド、ブロッコリースプラウト、ホウレンソウなどで、ビタミンEは脂溶性のため、良質な油(オリーブオイル、アボカドオイル、こめ油)と一緒に摂取すると吸収率が上がります。

脂肪肝の治療と予防には、バランスの良い食事、定期的に適度な運動(有酸素運動)、十分な休養と睡眠、アルコール摂取の制限または禁酒、体重管理など、ライフスタイルの改善が重要です。

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