経皮毒とは、皮膚(経皮)を通して体内に入ってくる有害化学物質(毒)のことで、この有害物質は非常に小さいため、皮膚の網目をすり抜けて血流に達し、体内を循環します。
経皮毒は、経口毒と比較すると体内への蓄積率が非常に高いことが特徴で、経口毒の約90%が解毒されて排出されるのに対し、経皮毒の約90%は体内に蓄積されます。
人間の皮膚の1c㎡の皮膚の構造
• 92cmの毛細血管
• 12本の神経繊維(総延長3.6m)
• 10個の毛包
• 15個の皮脂腺
• 100個の汗腺
入浴時、入浴直後は、温まった身体の皮膚血管が拡張するため、経皮吸収率がさらに上昇し、より多く吸収される可能性があります。
日常生活で使用する製品(シャンプー、リンス、化粧品、洗剤など)に含まれる有害物質は、個々の使用量が少量であっても、繰り返し使用することで少しずつ体内に蓄積されていきます。
特に、界面活性剤(特に石油由来のもの)が含まれる製品は、皮膚のバリア機能を破壊する可能性があります。
石油系合成界面活性剤は、多くのシャンプー、ボディソープ、洗顔料に含まれていて、泡立ちや洗浄力を高めるために使用され、一部の歯磨き粉には、発泡剤として石油系界面活性剤が使用されています。
洗濯用洗剤や食器用洗剤にも、汚れを落とすために高い洗浄力を持つ石油系界面活性剤が使用されることが多いです。
一部の化粧品(特に乳化剤として)にも石油系界面活性剤が使用されることがあります。
主な特徴
• 日用品や洗剤などの生活用品に含まれる化学物質が大半
• 経口毒(口から入る毒)と比べて体内への蓄積率が高い
• 男性は肝臓、女性は胸や子宮に蓄積しやすい傾向がある
経皮毒の影響と症状
• 中毒症状:体のさまざまな部位で毒性に反応
• アレルギー症状:アトピーや花粉症などのリスク増加
• 発がん性:がんを引き起こす可能性
• 環境ホルモン作用:内分泌系の撹乱、不妊症などのリスク
• 脳への影響:認知症、自閉症などのリスク
予防と対策
• 安全な製品の選択:有害成分を含まない製品を使用する
• 知識の習得:有害成分について正しい情報を得る
• 皮膚バリア機能の保護:角質皮脂バリアを維持し、化学物質の吸収を防ぐ
皮膚の部位によって吸収率が異なり、腕の内側を基準に、頭・3.5倍、顔・13倍、口腔内の粘膜・20倍、デリケートゾーン・42倍で、使用する製品や接触する部位によって、経皮毒の蓄積速度が変わってくる可能性があります。
女性の一般的な使い捨ての生理用品には、ポリエステル、ポリプロピレン、高分子吸収剤、ポリマーなどの石油系化学物質が使用されていて、これらの物質が生殖器の皮膚を通して直接吸収され、子宮にまで影響を及ぼす可能性があります。
自然素材の製品を選ぶことで、リスクを軽減することができます。
経皮毒のリスクを軽減するためには、使用する製品の成分を確認し、可能な限り安全な天然成分を含む製品を選択することが重要で、不必要な化学物質の使用を避け、環境にも配慮した生活を心がけることが推奨されています。