EUは食品の高い品質水準を保証するために、厳格な要件を課していて、EUの食品規制は世界で最も厳しいとされています。
品質認証制度
• PDO(原産地呼称保護):最も厳格な基準で、特定の地域で伝統的な製法によって生産・加工・調整された食品を表します
• PGI(地理的表示保護):PDOよりやや緩い基準で、製品名に記載された地域で生産され、生産・加工・調整の過程のうち少なくとも、1工程に地理的な結びつきがあることが必要です
• TSG(伝統的特産品保証):3つの中で最も基準が緩やかで、原産地ではなく、組成または製法の伝統性を認証します
• EU有機認証マーク:化学合成肥料や農薬、遺伝子組み換えを使用せず、環境に配慮した製法で生産された食材に付与されます
これらの認証制度により、特定の地域で生産された高品質な製品や、伝統的な製法で作られた製品が保護されています。
認証を受けるためには、特定の地理的領域での生産や、伝統的なレシピ・製法の遵守など、厳しい基準を満たす必要があり、EUへの食品輸出には複雑な許可申請や手続きが必要とされ、輸出業者にとって課題となっています。
EUの認証を受けている製品例
• フランスのコンテチーズ(PDO認証)
• イギリスのスティルトンチーズ(PDO認証)
• スペインのハモン・セラーノ(TSG認証)
• ギリシャのシティア・ラシスィウ・クリティスオリーブオイル(PDO認証)
• オーストリアのシュタイアマルク産パンプキンシードオイル(PGI認証)
• イタリアのパンテッレリア ケッパー(PGI認証)
• ドイツのリューベッカー・マジパン(PGI認証)
EUの認証制度は、チーズ、ハム、オリーブオイル、野菜、果物、菓子類など、幅広い食品カテゴリーに適用されています。
EUの認証制度は、主にEU加盟国27カ国とEFTA(欧州自由貿易連合)4カ国で認証されています
EU加盟国(27カ国)
アイルランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、キプロス、ギリシャ、クロアチア、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ルクセンブルク
EFTA加盟国(4カ国)
スイス、アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタイン
これらの国々で生産された食品や製品が、EUの品質認証制度(PDO、PGI、TSG、有機農法認証)の対象となり、認証制度により、EUは高品質で伝統的な食品の保護と、消費者への明確な情報提供を実現していて、認証された製品には特定のマークが表示され、消費者が容易に識別できるようになっています。