ヨーロッパ市場ではオーガニック認証を受けた抹茶への関心が高まっている

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ヨーロッパでは、オーガニック抹茶の人気は急速に高まっていて、「ジャパニーズ・スーパーフード」として認識されています。

特に健康志向の消費者による需要が多く、抹茶には、抗酸化作用やリラックス効果が期待されるため、健康食品としての位置づけが強化されています。

ヨーロッパへの日本の抹茶輸出量は近年増加傾向にあり、2023年6月の単月実績では、EU向け日本茶輸出額は1.7億円で、特に粉末状茶(主に抹茶)の輸出が顕著で、前年同期比で輸出額は282.6%、輸出量は228.8%増加しました。

オーガニック抹茶市場は2030年までに11億4,700万米ドルに達すると予測されていて、年平均成長率(CAGR)は約9%と見込まれています。

オーガニック抹茶の主な生産地

静岡県:全国一の茶葉生産地として知られ、オーガニック抹茶の生産も盛んで、静岡県産のオーガニック抹茶は、農薬や化学肥料を使用せずに育てられた安全な茶葉を使用していて、特に、静岡県島田市の川根地域では、良質なオーガニック抹茶が栽培されています。

愛知県:西尾市は日本一の抹茶生産量を誇り、全国の約30%を占めていて、茶農家が、農薬不使用・有機農法によるオーガニック抹茶の生産に取り組んでいます。

京都府:宇治茶で有名な京都府も、オーガニック抹茶の生産地で、特に和束町は宇治茶の約4割を生産していて、日本の抹茶文化を支える重要なエリアです。

鹿児島県:鹿児島は有機栽培面積が国内トップで、特にオーガニック抹茶が希少価値を持っていて、霧による自然な覆いと遮光性の高い栽培方法により、風味豊かな抹茶が生産されています

ヨーロッパでは、専門店やオンラインショップでの販売が増加し、カフェやレストランでも抹茶メニューが拡大しています。

オーガニック抹茶の生産の必要条件

栽培方法

1.覆下栽培
•茶園を2〜3週間程度、被覆資材で覆う
•棚式覆下栽培が伝統的で高品質
•被覆により、アミノ酸増加、カテキン減少、特殊な香りの発生、葉緑素増加

2.有機JAS認証の取得
•農薬や化学肥料を使用しない栽培

3.立地条件
•水はけの良い砂質土壌
•昼夜の温度差が大きい地域
•朝霧の発生しやすい山間傾斜地

加工技術

1.てん茶製造
•蒸した後、揉まずに緩やかに乾燥
•適切な温度管理による品温維持
•てん茶炉による安定した熱源での恒温乾燥

2.石臼による粉砕
•色沢や香りを損なわない微粉砕
•連続方式での粉砕

その他の要件
•茶園の団地化(農薬飛散防止のため)
•高度な生産技術の開発・改善・普及
•病害虫・施肥対策など生産安定・品質向上に向けた技術の高度化

これらの条件を満たすことで、高品質なオーガニック抹茶の生産が可能となります。

抹茶は、茶葉そのものを粉末状にして飲むため、煎茶では抽出されない栄養素まで摂取できるので、カテキンは煎茶よりも圧倒的に多く含まれています。

オーガニック抹茶は化学肥料や農薬を使用せずに栽培されるため、より自然な形で栄養素を摂取でき、健康志向の方々に特に人気があります。

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