モラルハラスメントは身体的暴力は含まず精神的攻撃が中心です

Mental

モラルハラスメント(モラハラ)とは、言動や態度によって相手に精神的苦痛を与える行為を指します。

特徴としては、直接的な暴力ではなく、精神的な暴力が中心で、無視、暴言、威圧的な態度などが含まれ、被害者の心身の健康に悪影響を与え、最悪の場合、自殺にまで追い込む可能性があります。

前頭葉は判断、計画、自己制御、感情の調整などの高次認知機能に関与していて、モラハラを繰り返す人の脳では、前頭葉の機能低下が起こる可能性があり、自己制御能力の低下、感情調整の困難、社会的判断力の低下が生じる可能性があります。

モラハラ加害者の脳内では、認知の歪みが強く現れていて、「自分が正しい」という強固な信念、自己の行動を正当化する思考パターン、他者の感情や立場を考慮できない偏った認識などで、これらの認知の歪みは、加害行為を正当化し、継続させる要因となっています。

性格的特徴
1.自己中心的傾向が強い
他人を思いやる気持ちに欠け、自分の思い通りにならないことを嫌う
2.プライドが高い
他人の活躍を許せず、蹴落としたいと考える
3.他責思考が強い
問題の原因を自分ではなく他人に求める
4.感情の起伏が激しい
衝動的な感情をコントロールできず、モラハラ行為に走る

◇ 心理的特徴
1.自信の欠如
自分に自信がないため、他人を攻撃して優位に立とうとする
2.共感力の低さ
相手の感情を理解し、配慮することが苦手
3.強い正当感
自分の行動が正しいという絶対的な自信を持つ
4.被害者意識
自分が被害を受けているという意識を持ちやすい

◇ 行動的特徴
1.二面性
パートナーや家族以外には穏やかな態度を示すが、親密な関係では尊大な態度に変わる
2.過剰な非難
些細なミスに対して大きな罰を与える
3.言葉巧み
口論が達者で、相手を言いくるめる
4.ストレス耐性の低さ
ストレスを適切に処理できず、他人にぶつける

継続的なモラハラ行為は、加害者自身にもストレスをもたらし、脳内のストレス反応に影響を与える可能性があり、ストレスホルモンの分泌異常、感情制御の困難、衝動的な行動の増加が生じる可能性があります。

モラハラ行動を繰り返すことで背外側前頭前野の灰白質密度が8%減少し、倫理的判断能力の低下する可能性もあります。

モラハラ加害者は日常的に嘘をつく傾向があり、悪意を持って相手を陥れるための嘘をつくケースは特に深刻な問題ですが、無意識的に嘘をつき、自分が嘘をついていることに気づかないこともあります。

前頭葉は判断力や社会的な認知に関与しているため、その機能低下により、モラハラ加害者本人も嘘をついている人を見抜くことが困難になる可能性が高いと考えられます。

モラハラは、パワハラと類似した概念ですが、パワハラは「職場」で「優位性」を利用して行われる嫌がらせであり、身体的・精神的攻撃を含みますが、モラハラは「優位性」に限定されず「職場以外」でも発生しうる精神的な嫌がらせです。

両者とも被害者に深刻な影響を及ぼすため、早期の対応と予防策が重要です。

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