ファスティングで体に起こる変化と注意点

Mental

ファスティングとは、一定期間、食事を控えることで体内の消化・吸収活動を休ませる方法です。

私たちの消化器官は、食事のたびにフル稼働していて、現代のように一日中いつでも食べられる環境では、胃腸が休む時間はほとんどなく、ファスティングは、あえて食事の回数や時間、あるいは固形物そのものを制限し、内臓に「休憩時間」を与えるための手段です。

ファスティングに取り組む人が、まず実感しやすいのが体重や体脂肪の変化で、摂取カロリーが自然と減ることで、体は蓄えていた脂肪をエネルギーとして使い始め、その過程で血糖やインスリンの動きが穏やかになり、食後の眠気が減ったり、だらだら食べをしなくても平気になったりする人もいます。

また、消化活動が落ち着くことで腸内環境が整いやすくなると考えられていて、腸は免疫やメンタルとも密接に関係しているので、便通が安定したり、ガスや膨満感が軽くなったり、肌の調子が良くなったと感じる人が多いのは、こうした腸内環境の変化と関係している可能性があります。

さらに、一定時間以上の空腹が続くと、細胞内の不要なタンパク質や老廃物を処理する仕組み(オートファジー)が働きやすくなると考えられていて、これは細胞レベルでの「掃除・メンテナンス」とも言える過程で、加齢や生活習慣によるダメージの蓄積にブレーキをかける役割が期待されています。

日本語でいう「断食」は、宗教的・精神的な修行としての意味合いが強く、「一切の食べ物を断つ」というイメージがあります。
一方、健康法として広まっているファスティングは、水分や一部のドリンクなどで最低限の栄養を補いながら行う、よりマイルドなアプローチであることが多い。

健康効果という観点では、どちらも「エネルギー制限」という同じ軸の上にあるが、違いが出やすいのは「強度」と「リスク」で、長期間の完全な断食は、体重や血糖、血圧などを短期的に大きく変化させ、低血糖や脱水、電解質異常、筋肉量の大幅な低下など、医療的な管理が必要になるリスクも高くなります。

それに対して、16時間断食のような時間制限ファスティングや、1〜3日程度のドリンクを活用したプログラムは、適切に設計すれば日常生活と両立しやすく、リスクも比較的コントロールしやすいのが特徴。

ただし、どんな健康法も万能ではありません。
ファスティングでも、頭痛・めまい・強い空腹感・イライラ・不眠などは、よく見られる初期反応として知られていて、強度が高すぎる場合には、女性の月経不順やホルモンバランスへの影響、摂食障害的な「食べない/食べすぎる」の揺れを助長してしまうリスクもあります。

また、「ファスティングをしているから大丈夫」と安心してしまい、普段の食事内容がジャンクなままだと、長期的な健康効果は限定的になりやすい。
「何をどのように食べるか」「生活リズムや睡眠、ストレス管理とどう組み合わせるか」といった要素が、最終的なアウトカムを大きく左右します。

ファスティングを取り入れるなら、最初は「16時間の空腹時間をつくる」「夜遅い食事をやめて、朝〜昼に食事を寄せる」といった、生活リズムと両立しやすい方法から始めるのがおすすめで、いきなり数日間の断食に挑戦するのではなく、体がどう反応するかを観察しながら、負荷を少しずつ調整していく方が安全性は高い。

基礎疾患がある人、薬を服用している人、すでに痩せている人、高齢者、妊娠・授乳中の場合は、慎重な判断が必要です。
「食べないこと」は栄養学的にはかなり強い介入であるため、決して軽い健康法ではないことを理解しておくことも重要です。

ファスティング中の運動については、低血糖のリスクを考慮し、激しい運動は避け、ウォーキングなどの軽い有酸素運動やストレッチなど、体調を見ながら無理のない範囲で行うのが現実的。

ファスティングを長期間・高頻度で行うと、糖新生のために筋肉のタンパク質が分解され、筋肉量が低下する可能性があります。
一方、半日から2日程度の短期間のファスティングであれば、筋肉量への影響は大きくなりにくいと考えられています。

ファスティングは、やり方次第で体にプラスにもマイナスにも働きます。
効果だけに目を向けるのではなく、自分の体調や生活リズムと向き合いながら、無理のない形で取り入れていくことが、健康的に続けるための鍵になります。

スポンサーリンク
error: Content is protected !!