スコヴィル値は唐辛子の辛さを数値化した単位で、カプサイシン(唐辛子の辛味成分)の濃度を表す単位です。
1912年にアメリカの化学者ウィルバー・スコヴィルが考案した測定法で、当初は被験者の主観に基づく官能試験(辛みを感じなくなるまで薄めた希釈倍率)でしたが、現在は高速液体クロマトグラフィーなどの機器分析が主流です。
スコヴィル辛味単位(Scoville Heat Units)SHUと表記されます。
1.ペッパーX
2023年10月にギネス世界記録に認定された世界一辛い唐辛子。
正確なスコヴィル値は公表されていませんが、300万SHUを超えると言われています。
2.キャロライナ・リーパー
スコヴィル値:約150万〜300万SHU
2013年から2023年まで世界一辛い唐辛子として認定されていました。
3.トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー
スコヴィル値:約140万SHU
4.ブート・ジョロキア(ゴースト・ペッパー)
スコヴィル値:約100万SHU
5.ハバネロ
スコヴィル値:約10万〜45万SHU
品種によって辛さに幅がありますが、最も辛い品種は「レッドサビナ」です。
6.スコッチ・ボネット
スコヴィル値:約10万〜35万SHU
7.タイ・チリ(鷹の爪)
スコヴィル値:約5万〜10万SHU
8.カイエンペッパー
スコヴィル値:約3万〜5万SHU
9.ハラペーニョ
スコヴィル値:約2,500〜8,000SHU
10.タバスコ
スコヴィル値:約2,500〜5,000SHU
※同じ品種でも栽培条件により、値が変動することがあります。
世界一辛い唐辛子の開発は、科学的な挑戦であると同時に、軍事目的(非致死性兵器)など商業的に価値の高い分野となっています。
これらの超激辛唐辛子は一般的な食用には適さず、その取り扱いには十分な注意が必要です。
カプサイシンは水にはほとんど溶けませんが、油、アルコール、酢には溶けやすい性質があるので、一緒に摂取すると、カプサイシンの吸収率が上がってしまいます。
唐辛子の主成分であるカプサイシンには、健康上のリスクと注意点があります
•致死量:カプサイシンには致死量が存在し、体重50kgの人であれば3,000~3,750mgの摂取で命の危険が生じることがあります。
•短期的な影響:唐辛子の過剰摂取は、むくみ、頭痛、目の痛み、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、胃酸の逆流による胸焼けなどの症状が出ることがあります。
•長期的な影響:長期間にわたる大量摂取は、認知機能の低下に関連があると指摘されています。
唐辛子は、適切に摂取することで多くの健康効果があります
•抗酸化作用
唐辛子に含まれるビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立ち、血管を酸化から守り、健康な状態を保つ効果があります。
•新陳代謝の促進
唐辛子の主要成分であるカプサイシンは、新陳代謝を高める効果があり、脂肪燃焼を促進します。
•血行促進と冷え性改善
カプサイシンは末梢血管を拡張させ、血行を促進する効果があります。
•血圧とコレステロールの管理
カプサイシンは血圧を下げる効果や、コレステロール値を下げる作用もあり、心血管疾患のリスクを低減する可能性があります。
•胃腸の健康
唐辛子は胃腸の機能を向上させ、消化を助ける効果があり、適量を摂取することで、胃腸の健康を保つことができます。
唐辛子の健康効果を得るためには、適量を守ることが重要です。
個人の体質や耐性によって反応が異なるため、自身の体調に合わせて適切に摂取することが重要です。
過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意して下さい。