ケールは、地中海沿岸で誕生した野菜で、アブラナ科アブラナ属(キャベツ、ブロッコリーなど)の中で最も原種に近い植物とされていて、主な品種には、楕円形の大きな葉を持つ「コラードケール」と、葉がカールしたギザギザの「カーリーケール」があります。
紀元前2000年頃には、すでにギリシャで栽培されていて、ケールは薬草として用いられていました。
数学者のピタゴラスは、ケールを「体が元気になり、精神を落ち着かせてくる野菜」と記していたそうです。
ケールという名前は、ケルト人が最初に栽培したことに由来しているとされていて、ケルト民族の移動に伴い、ケールが世界中に広まっていき、耐寒性と耐暑性の強さから、さまざまな気候で栽培が可能ということから、ヨーロッパ、北米、南米、アフリカ、アジアへと広がっていきました。
日本にケールが伝えられたのは比較的遅く、江戸時代初期とされていて、オランダ人によって伝えられたことから「オランダナ」と名付けられたと言われていて、1709年に刊行された「大和本草」という書物に、ケールと思われる「オランダナ」「サンネンナ」という記載があるそうです。
栄養成分と効果
• ビタミンA、C、K、Eが豊富で、免疫力強化、視力維持、血液凝固、抗酸化作用などの効果が あります。
• カルシウムの含有量は野菜の中でもトップクラスで、赤血球の生成に必要な栄養素の、葉酸や鉄分も多く含まれていています。
• 食物繊維が豊富で、消化を促進し腸内環境を整えます。
• ルテイン、ゼアキサンチン、βカロテンなどのカロテノイドを含み、加齢に伴う眼病予防や、ブルーライトなどの刺激から眼を保護するなど、視覚機能の健康維持に良いとされています。
健康への影響
• 糖尿病の症状軽減や、酸化ストレスを減らし老化のプロセスを遅らせる可能性があるとされています。
• がん(特に結腸がん)のリスク低減や血圧改善、心臓病や脳卒中のリスクを軽減する可能性があるとされています。
• αリノレン酸(オメガ3脂肪酸)を含み、動脈硬化の予防や、血栓形成の予防などに良いとされています。
• 善玉コレステロールを増加させ、悪玉コレステロールを減少させます。
ケールは、β-カロテン、ビタミンK、カルシウム、鉄分が、同じアブラナ科のブロッコリーよりも多く含まれていて、「野菜の王様」と呼ばれるほど栄養価が高いので、世界中で栽培され、特にヨーロッパで健康食品としての価値が再認識されています。